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無観客の大自然

風景

本日から知床自然センターも新型コロナウイルス感染拡大防止に関わる緊急事態宣言の発令により、臨時休館となりました。

フレペの滝遊歩道を歩く利用者もまばら。本来であれば、遅い春の訪れと共に、多くのお客様が知床を楽しむ季節です。

ただこれは、無観客の大自然。

大相撲の春場所、東京交響楽団の生配信など先月は無観客興行が話題となりましたが、テレビ越しに感じられた力士の息遣い同様、この素晴らしい自然の中にも利用者の賑わいと同時にかき消されてしまう多くの音と息遣いがあります。

新型コロナウイルスは、私たちの生活に大きな影響を与えていますが、俗世の喧騒にかかわらず、知床の自然はいつも通りの時間が流れ、山も海も鳥も植物もいつもの春を迎えています。雑音のない遊歩道を歩けば、さらにそれは強く感じられます。

変わらない自然を眺めるたびに、変わる社会とそこで暮らす人、そして私たちが自然から受ける恩恵を考えさせられますが、今年はこの無観客となった自然を前にさらに深く考えることができそうです。

(清)