中西建太郎写真展『赤岩という場所』～最果ての海辺で人知れず和の食文化を支え続けた名も無き人々の記録～

中西建太郎写真展『赤岩という場所』
～最果ての海辺で人知れず和の食文化を支え続けた名も無き人々の記録～

2023年8月5日（土）～9月24日（日）
知床自然センターミニギャラリー

　北海道知床岬の南麓、根室海峡を挟んで国後島を臨む小さな入江赤岩。ひとつのインフラすら届かぬその最果ての陸の孤島に、大正期より百年続いた昆布場が存在した事実を知る人は少ない。
　2017年の晩夏、歴史的役目を終え、最後に残った２つの番屋が完全撤退したその日まで、昆布の繁茂する赤岩の海辺では例年と変わりのない漁師家族たちの過酷な労働が繰り広げられた。一方、後背の山では、やがて還りくるであろうカムイの天地を予感してか、森のヒグマたちが躍動を始め、番犬たちとのせめぎ合いが昆布場の日常の光景となった。
　本作品はそんな赤岩昆布場の最後となる2年の夏を、長年働き手としてこの地を取材した作者がカラーで綴った渾身のフォトドキュメントである。