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きれいだけどきたない?

写真の緑色に光る美しい虫は、オオセンチコガネといって、知床国立公園では見る機会の少ない虫です。基本的に緑系の色が多いですが、個体によって赤系~紫系だったり様々です。知床でよく見かける虫でこれに似たセンチコガネというものがいますが、地味な色をしています。

この虫の名の由来は雪隠(せっちん)からきており、雪隠とは昔の便所の事で、この雪隠が転じて(せんち)になったと思われます。なぜ便所が由来になっているのかというと、センチコガネやオオセンチコガネは動物のウンチに集まり、ウンチを食べる虫だからです。昔、水洗便所がなかった時代には便所にも集まってきていたのでしょう。

今回紹介したオオセンチコガネは特に草食動物のウンチが好物で、キツネやタヌキのウンチには集まりません。知床ではシカのウンチに集まっているのを良く見かけ、牧場のある地域ではウシやウマのウンチに集まります。

でも、安心してください。オオセンチコガネの体の表面は汚れが付きにくい構造になっているため、体がウンチまみれになっていることはありません。もしどこかで見つけてもウンチ虫だなんて毛嫌いしないでください。

(担当:新庄)

歩いているオオセンチコガネ。 飛んでいるのを見ることも多い。

歩いているオオセンチコガネ。
飛んでいるのを見ることも多い。