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知床トラバース(縦走) 春から冬へ
日本全国春ですが、去りゆく冬を探しに、知床連山の稜線を歩いてきました。
今回は羅臼側の知円別から歩き出し、斜里側の岩尾別まで縦走(トラバース)するプラン。出発地の道路付近の雪はすべて融け、山の斜面も融雪が進んでササが立ち上がっています。
標高を上げるにつれ気温が下がります。計算上は100mで0.6℃下がるので、標高1500m前後になる連山の稜線では気温は下界より9℃ほど低く、いまだに冬の装いです。
知床の気候の特徴は強風です。ひときわ強い風にさらされる稜線付近では、木や岩への着氷は、エビの尻尾状に風上方向に発達します。春の日差しのおかげで、エビの尻尾も丸く溶けかかっています。
三峰岳山頂の岩稜は、冬の間にエビの尻尾に埋め尽くされますが、気温上昇で少し丸みを帯びていました。まるで白いトドの群れに見えませんか?
冬の稜線を離れ、岩尾別まで下れば、川が雪を割って流れ出していました。
春から冬、そして春まで、1日で旅ができるのも、狭くて豊かな知床ならではの旅です。