STAFF BLOG

きっと何処かで

風景

平地は雪が少ないですが、山々は雪に覆われ、冬の眠りについています。

暖かい地方に移動する鳥、ここに残って極寒の季節を過ごす鳥、春まで冬眠してやり過ごす動物・・・。

カワガラスは凍ってない水面から冷たい川に潜り、餌を探していました。

冬の過ごし方は生き物によってそれぞれです。

多くのヒグマはこの山のどこかで冬眠しているでしょう。

今まさにメスのヒグマは冬眠穴の中で出産しているかもしれません。あれだけ大きくなる動物の赤ちゃんが500gにも満たない未熟な状態で生まれます。目に見えないけどその姿を想像するだけで、心はヒグマとリンクするのです。

写真家の星野道夫さんはエッセー『旅をする木』の中で、『自分が大都会の東京で暮らしている同じ瞬間に、同じ日本でヒグマが生きていることが不思議でならなかった』と書いています。

この瞬間にも地球の何処かで誰かが生きるために努力しています。

谷川俊太郎は詩の中で『この地球ではいつもどこかで朝がはじまっている』と書いています。

そして『ぼくらは朝をリレーするのだ 経度から経度へと そうしていわば交替で地球を守る』と。

私達は普段の暮らしの中で、自然や野生動物はどこか遠い場所にあり、自分とは関係のない事だと思いがちです。でも知床も東京も北極も南極も同じ大地と空と海でつながっています。想うことで心は自然とリンクしているのではないでしょうか。

春になれば新しい生命が雪から顔を出すことでしょう。想像するだけで今から心が躍ります。

(担当:ノセ)

※今回の投稿でノセのブログは最後となります。今まで読んでいただきありがとうございます。自然の美しさや不思議さを伝えたいと思い、頭をひねってきました。美しい景色、素晴らしい動植物たちは世界中にあり、きっと身近なところにも感動があるはずです。

最後に小説家ヘミングウェイの言葉を引用してお別れといたします。

『The world is a fine place and worth the fighting for』

(この世は素晴らしい。戦う価値がある)