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いつかその日が来る、その時まで。

休日に初ひとり登山に挑戦したのですが、登山道でシマリスに出会い、一生忘れられない思い出が作れてるんるんの新人ぽんです。

 

 

 

昨日、先週の暴風の影響がないか確認をしに、岩尾別地区にある防鹿柵の巡視に行って参りました。

その防鹿柵はダイキン工業様からの寄付による森づくりの一環として設置して頂いたものです。

 

 


ちょっと待ってぽんちゃん。
「防鹿柵」ってなんでしょうか。


簡単にご説明致します。

「防鹿柵」とは。
簡単に言うと、高密度に増えた鹿の食害を防ぐための柵です。

皆様もご存知、鹿は草食動物です。草や花だけに限らず、木の樹皮も食料としています。特に北海道のような冬の厳しい食糧事情を抱えた環境だと地面が深い雪で覆われるため、樹皮は鹿にとっての冬場を凌ぐための食料となるのです。

オヒョウやハルニレ、アオダモなどの広葉樹を好んで食べているそうです。

たくさん草花や樹皮が食べられてしまうと、その草花や広葉樹を拠り所としていた虫や鳥たちにも影響が出てしまいます。

それを防ぎ、多種多様な植物、生き物が住まう森林を作っていくための防鹿柵なのです。

身長160センチの私ですが、手を伸ばしても上までは届かない大きさ。

機械を入れず人の手で作られた防鹿柵のため、定期的な巡視を行い、防鹿柵の異常や破損がないかを確認します。

 


日当たりの良い場所だと草やササが元気よく生い茂り、まるでジャングルのような状態に。
稚樹たちも我が我がとすくすくと芽を伸ばす。

こんな立派な倒木もありました。
中がトンネルになっている!

倒木好きな私は大興奮してしまいました。

 

 

柵の外ではあまり見かけることのない様々な植物も生育してました。


クサノオウ。

 

コマユミ。

 

イヌサフラン科の植物…でしょうか。

 

マムシグサ。

あまり散策ルートでは見かけないので、これまた大興奮。

毒々しさのある茎の模様に美しさを覚え、なぜか惹かれます。

 

 

 

樹齢何百年でしょうか。

とても立派なハルニレの樹もありました。

特別に触らせて頂き、樹の生命力を肌で実感。

この樹は知床の移り行く景色と時代をずっとここで見守っていたんだ、と思うと胸が熱くなりました。

 

防鹿柵に守られることで多種多様な植物が育つ環境にあることを実感しました。

 

 

今回、私たちが行った防鹿柵の場所はなかなか立ち入ることが容易い場所ではなかったのですが、フレペの滝遊歩道のすぐ横に森づくりの道「シカ柵コース」があります。
今回私たちが巡視に行ったような、柵外と柵内の違いを実際に見ることができます。
30分ぐらいで歩けるコースになってますので、センターにお立ち寄りの際はぜひ!

 

 



知床の森づくりに終わりはなく、私たちはこの活動を見届け、自身の生涯を終えることはできません。



様々な人のご協力や想いがたくさん詰まった森づくり。


知床の森を歩く時に、少しだけでいいので、こうした私たちの想いを受け取って頂ければ幸せに思います。

いつか針葉樹、広葉樹と多種多様な森の中を自由に駆け回る鹿の姿に思いを馳せながら、私は私に今できることをひとつずつ、少しずつ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ぽん)