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あの峰を歩く ~硫黄山から羅臼岳へ(7月8日~9日)~【登山情報付き】
先週末(7月8日・9日)1泊2日で知床連山の巡視に行ってきました。
1週間前に山開きを迎えた羅臼岳は賑わいを見せていましたが、今回はカムイワッカから入山。
初日は二つ池のテント場まで、出会う人もなくとても静かでした。
硫黄山は少し登っただけで火山独特の風景になり、どこか別の星に来たかのよう。
硫黄沢を詰めて稜線に出る。南からガスが上がり視界は開けないが、風はなかった。ほとんど種になってしまっていたが、まだシレトコスミレも咲いていた。
第1火口のテントサイトを往復。第1火口のテントサイトは桃源郷のよう。
大きな岩の上で、鳥の声と雪解け水の流れる音をきいているとついうとうと。
水量は豊富。今回の巡視中に山中ですれ違った縦走パーティーは、
第1火口で泊まる予定の方が多かった。
稜線にはコマクサ、そしてシカの足跡。こんなところまで遠征してきている。
ハイマツのトンネルをくぐりつつ、2つ池のテント場を目指す。少しずつガスが晴れてきて、火山らしい地形が見えると、稜線歩きの醍醐味を感じる。
夕方になり、二つ池のテントサイトに近づくと、体にまとわりつく蚊が多くなってきた。
1日目はここでテント泊。ハイマツに囲まれた沼のほとりに泊まる。水は池から。浄水器必須。
翌日の朝は6時にテントを撤収して出発。
サシルイのオッカバケ側の斜面が最も大きく雪渓が残っていた。下部は流水があって靴は濡れる。
植生を傷めないよう、踏み外さないで歩く。
山頂直下の雪渓は急だがしっかりステップが切れれば問題はないが、万が一滑落しカッパなど滑りやすいものを身に着けていてスピードがつくと、落ちた先が岩なので注意が必要。
羅臼岳のピークは快晴。歩いてきた峰々を振り返ると感慨深い。
雲海が切れると知床自然センターのある幌別台地と知床五湖のある岩尾別台地が見えた。
国後島も雲の合間にちょこんと頭を覗かせていた。
名残を惜しみつつ山頂を後にする。
大沢は雪渓を踏むところはもうなかった。真正面に知床五湖を望む。
広葉樹林内に戻ると、下界に戻ってきた感が強くなる。
天候はすっかり回復して暑く、林内は連日の好天でかなり乾燥していた。
クルマユリ、エゾカワラナデシコなどに癒されつつ、木の下小屋へ下山した。
(まやや)
【コース】
1日目:硫黄山登山口/入山 ⇒ 硫黄山山頂 ⇒ 第一火口のテントサイト往復 ⇒ 知円別岳 ⇒ 南岳 ⇒ 二つ池のテントサイト宿泊
2日目:2つ池 ⇒ オッカバケ岳 ⇒ サシルイ岳 ⇒ 三ッ峰 ⇒ 羅臼平 ⇒ 羅臼岳往復 ⇒ 岩尾別温泉登山口/下山
【クマ】
硫黄山登山口から1時間程度の林内 0歳1頭連れ親子
【水場】
・第1火口のテントサイト:雪渓からの清流・豊富
・2つ池のテントサイト:沼水・浄水器使用
・三峰のテントサイト:雪渓からの清流・豊富
・岩清水:細い水の流れが岩から垂れている状態。終わりかけ。
・銀冷水:沢水・豊富・浄水器使用
・弥三吉水:沢水・豊富・浄水器使用
【雪渓情報】
いずれもしっかりとしたハイキングブーツ(しっかりステップが切れるもの)であれば大きな問題はない。一部「斜度が急」と書いた雪渓に関しては、7月8日・9日時点では、登山者の技術によってアイゼンがあったほうが良い。
・硫黄沢:3か所程度、雪渓の上を歩く
・硫黄山山頂直下:距離は短いが斜度が急、雪渓下部は岩が露出しているのでトラバースに注意が必要
・第1火口のテントサイトまで:かなり広範囲な雪渓が残り、下部の斜度は急
・第2前衛峰ー知円別岳間:100m程度だがやや急、硫黄山から行くと雪渓を渡り切った後の登山道が少々分かりづらい(岩峰をまく感じ)
・サシルイ岳ーミクリ沼間:コース中最も大きな雪渓が残る、斜度は緩い、下部は流水
・三ッ峰のテントサイトー三ッ峰間:ハイマツの中に若干雪渓が残る、雪渓先の登山道入り口が少々分かりにくいが、雪渓の下部を回っていくと見つけられる
【開花情報】
シレトコスミレ(8割は種になっていた。一部開花中の株もあり)、チングルマ、エゾコザクラ、ゴゼンタチバナ、ウコンウツギ、マルバシモツケ、コマクサ、ツマトリソウ、イワウメ、クルマユリ、メアカンキンバイなど