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秋ももう終わりへと近づく今日この頃ですが、北海道民としてはこの時期に気になる存在がいます。
その名も
「雪虫」
あ、初雪かな!?
と思ったら雪虫だった…という経験は北海道民なら1度や2度…いや、何度もあるはずです。
私は高校、大学と地元の学校まで片道20分ほど自転車で通っていたのですが、この時期、学校に着く頃には上半身が雪虫でびっしりだったことを思い出します。
「雪虫」はまるで雪のような姿からつけられた愛称で正式名称は、
「トドノネオオワタムシ」
というアブラムシの一種です。
雪虫は特に北海道~東北にかけて多く見られますが広範囲に生息しています。
北海道のイメージが強いのは雪虫を見たら初雪が降る、と言われているからでしょうか。
秋の終わり頃にモクセイ科のヤチダモやアオダモからトドマツへ移動し、越冬にためにまたモクセイ科の木へ移動をします。
秋に見られる雪虫は越冬のために旅立ったメスたちで、無事に目的の植物までたどり着いたあと子を産み、その役目を終えることになります。
ふわふわと飛んでいる姿は見ているこちらからすると優雅に見えますが、彼らにとっては子孫繁栄のための一世一代の決死のフライトなのかもしれません。
雪虫といわれる所以の白いふわふわですが、これは体から出てきたロウ物質の綿毛です。
なぜ、この白い綿毛をまとっているのかはまだはっきりとしたことは分かっていないとのこと。
雪虫は飛ぶ力が弱く、風の弱い高気圧のタイミングを狙って飛び立ちます。
高気圧が過ぎたあとには強い冬型の気圧配置となり雪が降りやすくなるので、こういった理由からも雪虫が飛ぶと初雪が降る、と言われているのかもしれません。
ちなみに、アブラムシの仲間は春から秋にかけてメスだけで単為生殖を繰り返します。
そのため、夏の気温が高くなると発育が速く進み、個体数が爆発的に増え、その年の気候によっては大量発生する場合もあります。
ちょっと早口気味に雪虫についてお話をしましたが、北海道民として馴染みの深い雪虫について少しだけでも知っていただければ幸いです。
どんな生き物にも役割があり、その役割のひとつとして、小さな体でこうして私たちに季節の移り変わりや温度変化などを一生懸命に教えてくれているのかなと、このブログを書いていて改めて私はそう思いました。
虫の世界はおもしろいです。
(ぽん)