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羅臼町内初記録?

動物

まだ蒸し暑かった5日(日)の夜。閉館後の羅臼ビジターセンター事務室で仕事をしていたら、誰かが網戸をバタバタ叩きました。 まーた、暗くなってから羅臼岳を下山してきた外国人か?宿泊施設の場所ですかい?と思ったら、人ではなくて、大きな蛾(ガ)でした・・・ 道東では比較的まれと言われる、クスサンのオスです。 2005年に斜里町立知床博物館から発行された「データブック知床 2005」を見たところ、知床半島で記録された昆虫のリストに、クスサンは載っていません。 さらに少し調べてみたら、2008年の知床博物館研究報告(博物館HPからPDFでも閲覧可)に、珍しい採集記録として、斜里町内2箇所で捕獲された計3個体の事例が載っていました。しかし、同じ知床半島内でも、羅臼町内の記録は発見できませんでした。 おそらく、これまでにも羅臼町内にクスサンが迷い込んできたことはあったのでしょう。でも、誰も写真を撮ったり、捕獲して標本にしたりまではしなかったのかもしれません。ガですしね・・・ (どなたか、羅臼町内でとったクスサンの写真または標本を持っているという方は、羅臼ビジターセンター 0153-87-2828 までお知らせください) クスサンの仲間の成虫は、口が退化していて餌を食べることができないため、羽化後はあまり長距離を移動しないそうです。たまたま風に吹かれて羅臼まで飛んできたのか?あるいは、暑さのせいで道東へ分布を拡げつつあるのか?久々に昆虫の生態に興味が湧いた夜でした。 (担当: 久々登場の知床財団羅臼地区事業係 石)