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逆行する季節

植物 風景

 

今日の朝は久々に雲が晴れ、知床連山が姿を見せました。麓は新緑だというのに山だけモノクロの世界です。そしてすぐに雨雲の中に隠れてしまいました。

新雪03

白くなった羅臼岳

新雪01

こちらは半島基部の海別岳

 

冬の後には春来る、というのが私たちの普通の感覚です。

ですが季節はそれほど順調に進むものではありません。

山すそではちょうど満開を迎えた花がありました。

いわゆるところの「花」は受粉を助けてくれる昆虫を呼び寄せるため、植物が作った器官ですが、気温が低いと昆虫の動きが鈍くなってしまいます。

つまり花が咲いても実がならないかもしれません。

植物の実りが悪ければ、それを糧とする動物の食べ物もなくなってしまいます。

シウリザクラ

シウリザクラの花

この冷え込みがどの程度、知床の植物や動物に影響を与えるのか、今はわかりません。

自然というものが植物や動物に対して必ずしも優しくなく、そもそもそんな義理はないのだということに気付かされます。

そんな気まぐれな自然に恨みを言うことなく、耐え忍んでいる生き物たちは、本当にたくましいのだと思います。

(担当:ノセ)

ナナカマド

ナナカマドの花