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寄生樹

寄生樹

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ふと、ある植物が思った

あの高い枝に上ることができれば、日光をいっぱい浴びれるだろうか

あの大木の樹皮の下に根を張れれば、水分に困ることはないだろうか

・・・

とある漫画の冒頭の文章をもじってみましたが、寄〇獣ではなくこちらは寄生樹の話です。

寄生というと寄生虫など怖い・気持ち悪いイメージがありますが、自然界では樹木に寄生する樹木が存在します。それがこのヤドリギです(漢字だと宿り木もしくは寄生木と書きます)。

ヤドリギはビャクダン科の仲間の常緑低木で、文字通り樹木(ミズナラなど)に寄生して生育します。冬でも葉をつけているので目立ちますが、遠くから見ると鳥の巣のようにも見えます。花は4~5月に咲くので、ちょうど見ごろですね(といっても小さいのでぜんぜん目立ちませんが)。

ヤドリギの花(雌花)

ヤドリギは秋に黄色い果実をつけ、それを小鳥が食べて枝でフンをすることによって宿主に種子が運ばれます。ヤドリギの実をよく好むのがレンジャク類と言われています。ヤドリギの実は粘着力が強く、そのフンはネバネバしていて枝にうまく引っかかるという仕組みです。よくできてますね。そのかわりヤドリギは地面で育つことはできません。

ヤドリギはその生態の特殊性ゆえか、面白い逸話がいくつもあります。冬でも常緑のため、ヨーロッパでは生命を象徴したり神聖なものだったり縁起がよかったりするようですね。

ファンタジー好きな人は、北欧神話の光の神バルドルを射殺す物となったヤドリギ(ミスティルテイン)の逸話を思い起こすのではないでしょうか。そのストーリーを語りたいところではありますが、次の機会にしましょう。興味のある方はエッダを読んでみてください。

ヤドリギの先祖がいったいどうやって他の樹木に寄生するようになったのか、考えても謎は深まるばかりです。植物は基本的に動けませんが、代わりに様々な方法で繁栄しようとしており、その工夫や多様性にはいつも驚かされます。

ヤドリギは宿主を枯らしてしまうことはありません。それでは自分も枯れてしまうから。私達人間も自然に寄生しているような存在だとすれば、自然を枯らしてしまうようなことがあってはならないでしょう。

(担当:ノセ)

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