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春告獣の足あと
ひさびさにスノーシューをはいて、山にゆきました。めったに人が入らないような場所だったはずなのに、そこらじゅうにベタベタと足跡が。最近はスノーシュー人口も増えたのだなあ、それにしてもずいぶん人間離れした場所に登っていくヒトもいるのだなあと感心していましたが、そんなわけもなく、やはりヒグマの足跡でした。
かつて、知床の春の海におしよせたニシンは『春告魚』と呼ばれました。それにあやかり、知床の山に春の訪れを実感させるヒグマを『春告獣』と呼ぼうと提唱した人もいました。日本の春の代名詞といえば桜ですが、知床で桜が咲くのは例年6月ごろ。他の花もいっぺんにさくので、あまり『春一番』の風物詩という気もしません。知床の住人に春を告げてくれるのは、ニシンでも桜でもなく、やっぱりクマでしょう。
(担当:加藤)