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この顔、だ~れだ?
この顔、知床自然センターに隣接した100平方メートル運動の森・トラスト作業地で見つけたトノサマバッタの顔です。
バッタを見つけた場所は100平方メートル運動の森・トラストでおこなっている森づくりをもっと皆さんに知ってもらうために整備中で、今年ササ刈りを行ったエリアです。このためか、バッタやキリギリスの仲間が今たくさん見られます。
トノサマバッタは開拓時代、開拓者にとって大変恐ろしい存在でした。宇登呂小中学校開校70周年誌には、大正時代、入植後10年ほどたった頃からトノサマバッタが大発生したとの記述があります。道庁から専門家が駆除対策に派遣されたものの一向に収まらず、やむを得ず当時の斜里村が捕まえた虫や掘り返した卵の買い取りを行ったそうです。しかし大正11年にはバッタの大発生と水不足のため、岩宇別地区の入植者中、30戸が離農、さらに翌年にも30戸、大正14年までには全戸退去し、岩宇別地区の入植者はゼロになったとあります。これは自然センターのあるまさにこの場所に関する記述です。そしてその後も開拓者の挑戦と容赦ない自然の猛威からの撤退が繰り返されることになります。ササ刈りした後いつのまにか目につくようになったトノサマバッタにちょっと不気味さを感じました。
今日は台風一過、さわやかの秋晴れの一日でした。トノサマバッタ大発生の記録はいま読み返しても恐ろしいものがありますが、このバッタやキリギリスの仲間は鳴く虫としての魅力もあります。深まる秋、虫の音を聞きながら、開拓時代に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?(担当:増田)