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この花注意
今年もアメリカオニアザミの咲く季節になりました。知床では道路沿いや河原、草地などでよく見られます。アメリカオニアザミの花はカラフルな紫色で、きれいと言えばそうですが、この花には注意が必要です。
きれいな花には棘がある、という表現がありますが、アメリカオニアザミの場合この棘が半端なく強力なのです。葉・茎・花の至るところに鋭い棘を生やし、触ろうものなら衣服や手袋を簡単に貫通し、皮膚に刺ささります。アザミの花言葉は「さわらないで」だそうですが、アザミの仲間のうちでもアメリカオニアザミの拒絶は相当なものです。そのためエゾシカなどの草食動物に食べられることがなく、特にシカの多いエリアでは他の植物よりも有利に生育することができます。
ご存じかと思いますが、アメリカオニアザミは本来日本には分布していない植物、いわゆる外来植物です。この花は日本各地に分布し、特に北海道で増えているそうです。外来の植物が増えれば、もともとそこに分布していた植物が育たなくなってしまうかもしれません。
自然センターの周辺では継続的にアメリカオニアザミの除去作業を行っています。除去作業を何年間か継続してようやく少なくなってきた実感があります。ただ、やはり一度根付いてしまった外来植物をなくすのは非常に難しいことなのだと、除去作業を通じて感じました。
(担当:ノセ)