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冬の蛾
最近、みぞれが降ることもあり、知床はもう冬です。そんな寒い中、夜に車を走らせるとたくさん蛾が飛んでいるのを見かけます。その蛾のほとんどは、主に晩秋~早春の雪のない季節に発生するシャクガ科の蛾で、総称フユシャクと呼ばれています。
フユシャクの仲間は昆虫の中では珍しく、冬に発生する蛾です。そしてこのフユシャク実は、外灯や車のライトに飛んでくるのは全てオスなのです。なぜメスは飛んでこないのかというと、フユシャクのメスは翅が退化していて飛べないからです。
下の画像はおそらくシロフフユエダシャクのメスで、これには天使の翼のようなかわいい翅がありますが、種類によっては翅を欠くものがいます。例えば、メイン画像のチャバネフユエダシャクのメスは全く翅が無く、全身が白黒のまだら模様です。
フユシャクのメスは木の幹に付いていることが多いですが、大きさが1㎝ほどで見た目も地味な種類が多く、なかなか見つけられません。
私は写真の個体しかまだ見つけられていませんが、みなさんも散歩がてらに探してみてはいかがでしょうか?この時期の森歩きは見通しもよく、いつもと違った面白さがあります。
(担当:新庄)
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シロフフユエダシャク(?)のメス。翅は羽化不全ではない。