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春の花

植物

 今年のゴールデンウィークは全道的に気温が高いようですが、知床もポカポカ天気が続いています、例年だとGW後のエゾヤマザクラも、既に満開です。気温が高いせいか、サクラだけでなく、全ての花が一気に咲き始めた感じです。樹木の花ではキタコブシの白い花、イタヤカエデの黄色い花などにぎやかです。

 草花も一気に咲き始めた感じですが、知床では数を増やしたエゾシカが植生に大きな影響を与えています。メイン写真の白い花はニリンソウですが、シカ柵で囲まれたウトロ市街地の一部やシカが立ち寄りにくい柵や護岸で囲まれた海岸林など限られた場所でしか最近は見かけません。ニリンソウと同じキンポウゲの仲間でもフクジュソウは、毒を含むせいか逆に勢力を拡大しているようで、群生しているところを見かけます。シカの多い場所では毒を含んだり、大きな棘などがあるシカが好まない植物ばかりが占拠するようになります。RIMG1462

 白い大きな花をつけるオオバナノエンレイソウもウトロ周辺ではニリンソウと同様、限られた場所でしか見られません。オオバナノエンレイソウの白い花は目立つ上、比較的だれでも識別しやすいことから、エゾシカの影響をはかる目安として活用されています。エゾシカによる植生破壊が深刻だった知床岬では、平成19年冬からエゾシカの個体数調整が行われていますが、一時期全く見られなかったオオバナノエンレイソウの開花株が最近再び見られるようになりました。

 それにしても、今年のGWはいろいろな花を一度に観賞できるめったにない機会となりましたが、この反動がどこかで来るのではないかとちょっと心配です(担当増田)。IMG_0290