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家畜じゃない
親愛なるキツネへ
あなたは家畜じゃない
その牙は甘いお菓子を食べるためではなく、ネズミをかみ殺すためにある
その目は餌をくれそうな人を探すためではなく、繁みに隠れた獲物を探すためにある
その耳は黄色い歓声を聞くためではなく、雪の下を移動する小動物の音を聞き分けるためにある
その鼻は生ごみを探すためにあるのではなく、獲物の位置や危険を察知するためにある
その毛皮は人の目を喜ばせるのではなく、真冬の北海道を生き抜くためにある
あなたの体には生まれながらにして、自然で生きるためのすべてが備わっている
あなたは天性の狩人であり、人のほどこしも哀れみも必要としない
森に生きる小さい動物たちは、獰猛な狩猟者であるあなたをとても恐れている
あなたにふさわしい場所はこんな場所ではない
どうか人間界の誘惑など振りほどいて、自分のあるべき世界に戻ってほしい
※最近、ウトロの街中でおねだりギツネが増えています。
餌を与える人がいるのでしょう。数頭のキツネが人に近づいていって餌をくれるのを待っている現場を目にします。
頭の良い動物だから一度餌をやるとすぐに学習してしまうのです。
餌をやってしまうのはかわいいからでしょうか、哀れだからでしょうか、愉悦だからでしょうか?
いずれにしても餌をやる行為は、本来のキツネの生活を乱してしまっています。
本来のキツネの姿を見たことがあるでしょうか。俊敏で軽快、孤高だけど親の愛情は深い。
人が餌をあげなくても彼らはちゃんと野生で生きていけます。
太古からそうであったように、未来永劫そうあるべきだと思います。
(担当:ノセ)