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エゾマツくん
4月に入って知床も少しはあたたかくなってきました。
しかし森の中はまだ雪が残り、木々の芽吹きはまだまだ先です。
多くの樹が冬に葉っぱを落としてしまうのですが、中には冬も葉を落とさず常緑を保っている木々がありますね。森に住む動物にとって常緑樹は風雪をしのぐ屋根のかわりになるなど、頼もしい存在だったりします。
知床で常緑の木と言えば、マツの仲間が代表的です。今回は知床のマツの仲間を紹介しましょう。
知床で見られるマツは5種類です。
知床マツの5兄弟、ぜひ覚えていってください。
(某漫画の主人公のように6兄弟でないのが残念ですね)
・エゾマツ(蝦夷松)
マツ科トウヒ属。北海道を代表するマツですが、自然センターの周辺では少数派であまり見かけません。樹皮がうろこ状なのが特徴です。葉は先端が尖っていて長めです。
・アカエゾマツ(赤蝦夷松)
マツ科トウヒ属。樹皮はエゾマツに似てますが少し赤っぽく、葉が短いのが特徴です。自然センター周辺でよく見られます。
・トドマツ(椴松)
マツ科モミ属。自然センター周辺で普通に見られます。樹皮に横のシマが入っているのと、葉の先端が尖らずややくぼんでいるのが特徴です。
・ハイマツ(這松)
マツ科マツ属。他のマツとは異なり、よく枝分かれし、あまり大きく成長しません。自然センター周辺では見られず標高の高い山地に生育してます。知床峠で普通に見られます。ハイマツの実はホシガラスやヒグマの好物だったりします。
山登りをする人にとっては厄介な障壁となります。ハイマツの藪をこぐと様々なアイテムを失うので、登山者泣かせの木です。
・カラマツ(唐松、落葉松)
マツ科カラマツ属。マツの仲間でありながら秋に黄葉し、落葉するという異色なマツです。自然センター周辺では、開拓時代の防風林の名残として見られます。
実は、カラマツは北海道にもともとなかった木で、国内外来種です。木材生産や防風を目的として植えられたものが多いようです。
外来種であるカラマツをのぞけば、知床のマツは4種類のみということになります。
・オソマツ
いや、ありませんから。
ひとくくりにマツと言っても、みんなそれぞれ特徴があって面白いですね。
トドマツやエゾマツなどはごっちゃにされて「青木」と呼ばれることが多いですが、せっかくだから違いを見つけて判別してみてください。
(担当:ノセ)