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知らぬまに運び屋にされている件
植物は動けません。
まったく動けないわけではありませんが、動物に比べるとほとんど動けません。
植物の悩みは、自分が動けないのでどうやって子孫(種子)を遠くまで運ぶかということです。
ある植物は風で飛ぶような綿毛をつけたり、ある植物はバネのような力ではじき飛ばしたり。
で、ある植物は良いアイデアを考えた訳です。
「自分で動けないなら、動物に運んでもらえばいいじゃない?」と。
おいしい果実を提供して種を運んでもらう植物もいますが、動物の毛皮に種をくっつけて運んでもらう、いわゆる「ひっつき虫」タイプもいます。
最近、よく衣服にくっつくオニルリソウ(ムラサキ科)はそういう仲間です。オニルリソウが生えている藪を歩いたりすると、衣服にびっしりと種がついてしまい、なかなか取れません。
種には無数の突起が生えており、動物が通ると毛皮にくっつくような仕組みになっています。
拡大して見てみると驚きの構造!突起の先端はイカリのような形をしており、繊維にひっかかりやすくなっているんですね。
立ってる者は親でも使え、的な植物の生き残り戦略には感服します。
もし衣服にひっつき虫がついていたら、「勝手に運び屋にして!」と怒るか、それとも「これも何かの縁だから運んでやろう」と思うか、それは気持ち次第ですね。少なくとも動物は体にくっついても気にしないでしょう。
(担当:ノセ)