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最近、知床自然センター周辺ではたくさんのエゾハルゼミが鳴いています。先日、不思議なエゾハルゼミを発見したので、カメラで撮影しながら隔離観察してみました。
このセミはどうやら菌類に全身を侵食されてしまったようで、立ったまま死んでいました。この菌類は、いわゆるセミカビというものらしく、セミの体に入り込むと全身に広がり、体内の養分を使って成長し、分生子を飛ばすようです。似たようなもので有名なのが、いわゆる冬虫夏草のセミ茸がありますが、この菌類はキノコのような子実体(傘の部分)を作り、胞子を飛ばします。
今回紹介したセミカビというのは、分類的には不完全菌類と呼ばれるものらしく、セミ茸の真菌類とは異なるもののようです。色々と調べてみましたが、その道の論文を読まなければまだ名前が付いているかどうかも分かりませんでした。とりあえず、不完全菌類のNomuraea属の種だろうということまでは間違いなさそうでした。
菌が増殖してセミが膨張する姿を動画にしてもらいましたので、興味のある方はご覧ください(※虫の嫌いな方は閲覧注意)。
担当:新庄