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目立つのは 花じゃなくても
国立公園内を車で走っていると、白く目立つ植物が道路に脇に生えているのを見かけます。
白い花でも見えているのかと近づくと、葉が白くなったマタタビがの葉です。
白い葉が目立つマタタビ 白くなった葉
ネコを骨抜きにするので有名なマタタビですが実際はつる性の植物です。日本では、北海道から九州までの広い地域に生育しています。他の樹木に覆いかぶさり、上から垂れるようにして葉を広げます。猫用に売られている商品は、マタタビの根や果実が使われているようですね。
初夏になると、つるの先端部分の葉が緑色から白色に変わり、森を歩いているととても目立ちます。まるで白い花があるように見えますね。
葉が目立って、得な事でもあるんだろうか・・・と思ってしまいますが、実はこの白い葉には重要な役割があります。
葉っぱを裏返してみると、可愛い花が隠れています。外から見えない小さな花です。マタタビの白い葉は、この外から目立たない花に昆虫をおびき寄せ、花粉を運んでもらう効果があると言われています。葉が白くなる時期は、花が咲く初夏です。別に花が目立つ必要はないのですね。
「花は目立つものだ」という私たちの思いなんて、植物たちにとっては関係ないのでしょう。花の役割は、目立つためではなく花粉を飛ばして種子を作ること(繁殖器官)です。それを成し遂げるために、植物には「あの手この手」が隠されており、花を目立たせることは必ずしも重要なことではありません。それぞれのやり方で生き延びていく彼らの姿を見ることが、植物を知る喜びですね。
(担当:森しゅう)