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オオワシ乱舞
晩秋というか初冬と言いますか、知床は微妙な季節になってきました。
知床五湖も冬期閉鎖され、観光シーズンも一旦終了という感じで訪れる人も少なくなってきました。
ただこの季節になって逆に海外から訪れる者たちがいます。
黒と白の翼を持つ猛禽、オオワシです。
オオワシは主にオホーツク海沿岸に生息しており、夏はロシアで繁殖し、冬にその一部が北海道に渡ってきます。かつては流氷と共に来る、と言われていたようですが、実際はもっと早く来てるんですね(「しれとこライブラリー① 知床の鳥類」より)。
オオワシは主に魚を食べているので、観察するには水辺を探すことです。
今だったら河口や河川近くの木にとまっていることが多いです。知床の河川にはサケが遡上しているので、オオワシは弱ったサケや死んだサケを食べたり、ときにはヒグマが食べ残したサケを漁ったりしてます。今年はサケの遡上が少ないので、オオワシが食べ物をめぐって喧嘩する姿も見られました。
オオワシは世界的に見ても希少な鳥です。彼らがこれからも生き続けるには、日本とロシア、朝鮮半島などの生息地が守られなければなりません。日本ではオオワシが死亡する原因として、猟銃の鉛弾を要因とした鉛中毒と、風力発電施設へのバードストライクが問題視されています。
オオワシはどこか遠い国に住む鳥ではありません。約半年ですがまぎれもなく日本の鳥です。オオワシが減少する理由が人間社会にあるのだとしたら、私達はそれを改めなければいけないと思いました。
(担当:ノセ)