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波に乗るハーレクイン
この季節になると海が荒れて波が高くなることが多いです。
海面はうねりを持ち、大きくて冷たい波が何度も何度も海岸に打ち寄せます。
そんな過酷な環境でも生き物は確かに存在しています。
今回、波間にみつけたのはシノリガモでした。
シノリガモはヨーロッパやロシア、北米などで繁殖し、冬鳥として知床に訪れますが、少数は知床の河川でも繁殖しています。
特徴はなんといってもオスの派手な模様ですね。逆にメスは黒い体に白いアクセントというシンプルな模様をしています。
漢字では晨鴨と書きますが、晨(シン)とは夜明けを表す文字だそうです。
英語ではハーレクイン・ダック(Harlequin duck)と呼ばれていますが、ハーレクインとは道化師のことです。おそらく顔の模様を道化師の化粧に見立てたのでしょう。
大きな波が来てもフワフワとかわし、平気な顔をしている彼らはまるで道化師のよう。
しかしずっと波に揺られていて気持ち悪くならないのでしょうか?
人の世界にも見えない波があります。世間の荒波、時代の波、悲しみの波・・・それらの波に抗おうと人は苦しむわけですが、時に押し流されて生きるのも辛いと感じてしまう時もあります。
私達もシノリガモを見習って、道化師のようにフワフワと波に乗ってみたらいいのかもしれません。
(担当:ノセ)
↓ 渓流で暮らすシノリガモの様子はこちら