STAFF BLOG
この彫り痕、只者ではないな
森の中は生き物にあふれています。
直接姿が見えなくても、雪の上についた痕跡などから住んでいる動物の存在を知ることができます。
今日見つけたのはトドマツに開けられたいくつもの穴と雪の上に散らかった木くず。しかも新しい。
生木にこんな穴を開けられるのは只者ではありません。拳法の達人でも無理でしょう。
穴を開けたのはキツツキの仲間、クマゲラです。アイヌ語では「舟を彫る鳥」を意味するチプタチカプと呼ばれています。
クマゲラは戯れに木に穴を開けてるわけではなく、餌である昆虫の幼虫などを探しています。
キツツキの仲間は木に穴を開け、長い舌を使って木の中の虫を捕食します。クマゲラはキツツキの仲間の中でも特に大きな穴を開けられます。穴の深さは10cm以上もありました。穴はやや四角っぽくなるのが特徴です。
道具を使うことなくクチバシ一本で木に穴をあけてしまう、彼らの能力にはいつも驚かされます。
クマゲラは天然記念物に指定されており、絶滅が心配されている鳥です。彼らがこの地で生き続けるには広くて豊かな森が必要なのです。
(担当:ノセ)