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山猫は眠りたい
北海道にはなぜ野生のネコ科動物が生息していないのか、残念に思う時があります。
ヒグマがいてオオワシやオジロワシがいてシマフクロウがいて、なぜトラやヒョウやヤマネコがいないのか。残念に思っているのは私だけではないはず・・・たぶん。
ところが北海道を含めて日本の縄文時代の遺跡からはオオヤマネコ(Lynx)の骨がいくつも見つかっているのです。今から5000年以上の大昔にはいたけど絶滅してしまったということのようです(参考:群馬県立自然史博物館研究報告15)。
ないものねだりをしても仕方ないので、ヤマネコと名の付くものを探して愛でてみましょう。
それがこれ、エゾノヤマネコヤナギ(蝦夷山猫栁)です。
エゾノバッコヤナギとも言います。知床で普通に見られるヤナギの仲間で、4月頃に花が咲きます。ネコヤナギの仲間は花がフワフワの房状になっていて、これをネコの尻尾に見立ててネコヤナギの名がついたそうです。英語ではpussy willowと言いますが、意味はやはり猫(pussy)栁(willow)なのです。国が違っても人の感性は同じようですね。
最近の陽気ですでに芽鱗が裂けて、フワフワの毛に包まれたつぼみが見えてきました。
エゾノヤマネコヤナギは春にまっさきに花を咲かせますが、芽鱗から覗いた毛玉を見ているとまだまだ眠っていたくて丸くなっている猫の姿に見えてきます。
(担当:ノセ)