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マグノリア
6月になって白い巨大な花が咲くようになりました。ホオノキの花です。
大きなツボミが開く瞬間はまるでゆで卵のように見えます。
ホオノキはモクレン科モクレン属(Magnolia)の樹木で、葉も巨大、花も巨大、果実もグロテスクで非常に特徴的な植物です。モクレンの仲間なので香りも良いです。
ホオとは包むことを意味するそうで、昔の人はホオノキの巨大な葉を、食品などの包装として利用したそうです。葉の芳香には殺菌作用があることから、食品の保存にも役立ったようですね。飛騨高山の朴葉味噌が有名です。
ホオノキを含むモクレンの仲間は、被子植物の中で原始的特徴を備えていると言われています。
被子植物は現在の地球上で一大勢力を誇っていますが、繁栄し始めたのはまだ恐竜が生息していた白亜紀前期頃(1億年以上前)と言われています。
白亜紀に繁栄していたアルカエアントゥスという樹木の花や葉の外見はホオノキとよく似ています。福井県立恐竜博物館にはアルカエアントゥスの復元模型があるので、機会があったらご覧になってみてください(クリックするとグーグルマップのストリートビューにジャンプします)。
私達人間を含め、動物の暮らしは植物に支えられています。特に被子植物は野菜、果実、穀物、ハチミツなどの形で人間の社会を支えているのです。被子植物は受粉や種子散布を他の動物(昆虫や鳥類)に頼っているものが多く、他の生き物と共生しなければ生きられません。それは私達人間も同じだと思います。
1億年以上前に被子植物は誕生しました。その後の大量絶滅で恐竜は滅びましたが、被子植物は生き残って繁栄し、今の地球の生き物を支えています。
(担当:ノセ)