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シダの森にて
フレペの滝など、知床の草原にはシダ植物であるワラビが繁茂してます。
ワラビはシダ門シダ綱シダ目コバノイシカグマ科ワラビ属の植物です。山菜として有名ですが、毒性が強いため生食はできずアク抜きが必要です。動物にも有毒なためエゾシカも食べません。
そのためシカが多い場所は他の植物が食べられ、ワラビが残されるため、ワラビが優占するというわけです。
ちょっと視線を落としてワラビの藪の中をのぞいてみると、まるでシダの森のように見えました。
シダ植物は今から約4億年前のデボン紀に誕生したと考えられています。3億6千万年前の石炭紀にはシダ植物が繁栄し、巨大なシダ植物が樹林を形成したと推定されています。太古には30mを超える巨大なシダ植物が存在したと言われていますが、多くは滅んでしまいました。
その後、裸子植物や被子植物など新たな植物が誕生し分布を広げましたが、シダ植物は独自の進化を遂げて今も様々な場所に適応し繁栄しています。知床でも80種以上のシダ植物が確認されています(「野外図鑑 知床のシダ」知床博物館発行)。
ワラビを下から見上げると、ちょっとタイムスリップした気分を味わえますね。
自然センターでは「知床のシダ展」を開催していますので、ぜひともご覧ください。
(担当:ノセ)