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知床の河川ではカラフトマスの遡上が見られるようになりました。
なんか毎年、同じ映像を撮っている気がします。
しかし今、上ってきているカラフトマスは昨年とは違うマスです。
カラフトマスは2年で成熟するので、今のマスたちは2016年に上ってきたマスの子孫と言えるでしょう。
この2年間、マスはオホーツク海で懸命に生き成長し、そして今、最後の旅路にさしかかってます。川に遡上したマスはあと数ヶ月以内に必ず死んでしまいます。
しかし死ぬために川を上るのではありません。命を次世代へと繋ぐためです。
マスの中にはルアーと浮きが体に刺さったものもいました。海にいるときに釣り人から逃げた個体でしょうか(ちなみに河川でのマスの捕獲は法律で禁止されています)。
マスの立場になって考えると、この体で川を上るのは泳ぎにくそうで可哀想に感じてしまいます。
生き物にはみんな、生まれて死ぬまでの物語があります。彼らが今までどんな生き方をしてきたのか、私達は知る由もありません。ただ艱難辛苦を乗り越えて戻ってきた彼らに私は「おかえり」と言いたいです。
(担当:ノセ)