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寄生の果実
今年の5月に寄生木(ヤドリギ)の話を書きました。
ヤドリギは樹木に寄生する樹木で、宿主の樹の枝から球状に枝を伸ばします。
5月中は目立たない花が咲いていたのですが、今はかわいい果実がついています。
ヤドリギの種は地面に落ちても生育できず、樹の枝にくっつかなければいけませんが、それを助けてくれるのが小鳥たちです。
ヤドリギの果肉はネバネバしており、小鳥がネバネバの糞と一緒に種を樹の枝につけてくれるという仕組みです。うまく樹皮に付着できればそこから発芽して寄生生活が始まるというわけです。
北欧神話においてヤドリギは、万物との契約により不死身となったバルドル神の唯一の弱点となりました。それはヤドリギが幼かった(もしくは生き物として不完全だった)ために神と契約できなかったためとの説があります。その唯一の弱点をつかれロキの策略によりバルドル神は命を落とし、世界は破滅に向かっていきます。
その伝説のためヤドリギは北欧で特別な樹として扱われることが多いようです。来月はもうクリスマスですが、ヤドリギとクリスマスには面白いエピソードもあるので調べてみてください。
ヤドリギの果実は人も食べることができます。といっても高い場所に生えていることが多いのでなかなか取ることが難しいです。味はほんのり甘くネバネバした食感です。
動物の体内で発芽して寄生する、なんて恐ろしいことは起こりませんので安心してください。
(担当:ノセ)