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冬の生き物たちに思いをはせる
ようやく冬らしくなってきた最近の知床です。
道路は雪で覆われ、海から吹く風はとても冷たいです。
昼間でも雪がちらつくことが多くなり、ようやく本来の北海道らしくなってきたなぁとホッとします。
やはり冬の世界は白くあるべきだと思うのです。
急に雪が降り気温も低くなって、野生動物たちはどう思ったんでしょう。
きっと「あ、ようやく降ったかいつもの」くらいですかね。
野生動物にとっては長い冬ほど過酷なものはないだろうと思います。
いつもは当たり前にあった水場や通り道すらもすべて消えてなくなり、いっそう生きていくのが大変になるでしょう。
今年生まれた生き物たちは、初めて見る冬の景色に何を思うでしょうか…
雪のちらつく冬の空は、海鳥たちによく似合います。
灰色の空の下ではカモメたちの羽色がいっそう美しく見え、空と同じに曇ったような色の海もまた、カモやウたちに似合うのです。
最近はずっと海が荒れていて、泳いでいる鳥たちも波に浮いたり沈んだりしています。
また、穏やかな日に岩場で休憩するカモたちをゆっくり観察したいものです。
冬の風物詩的存在であるオオワシもちょくちょく見られるようになってきました。
オジロワシもこの時期よく見られますが、オオワシの白と黒とオレンジの鮮やかなコントラストはやはり目を引きます。
ほかの鳥と違って、羽ばたく動作がゆっくりなのも風格があって素敵ですね。
これからどんどん冬は寒く厳しく、そして美しくなってきます。
次の春までに生き残った生き物たちが世代を繋ぎ、続いていくわけです。
そんな生き物たちを裁くように毎回やってくる北海道の冬が、毎度恐ろしく、不安で、なぜだか待ち遠しくあるのです。
(担当:つくし)