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獣はフレンズ
冬の到来で多くの植物は落葉したり枯れたりしてしまいました。あるものは地上部を捨てて根っこで休眠し、あるものは種子を散布して死滅します。
本体が枯れても種子を残せれば植物は目的を果たせます。
雪がうっすら積もる中で、枯れた本体に種をつけている植物がありました。ゴボウです。
ゴボウはキク科ゴボウ属の多年草で、アザミに似た花をつけます。根菜のゴボウと同じですが知床では野生化した野良ゴボウがあちこちに生えています。
このゴボウ、獣のことが大好きです。なぜならケモノは種を遠くに運んでくれるからです。
獣とフレンズになれるようゴボウの種には、獣の毛にしっかりとくっつけるように無数の返し付きの針が生えているのです(獣をただの足に使っているという考え方もあります)。
秋になるとゴボウの種を体にたくさんつけた動物が見られますが、特にヒグマの毛皮はゴボウとの相性がいいようです。
この返し付きの針は人の衣服にも相性がよく、マジックテープのようによくくっつきます。特にフリースにくっついたら最悪ですね。もし秋にゴボウの藪を通過したら衣服が種だらけになってしまうでしょう。種をはがすときに繊維も傷んでしまいます。
このゴボウという植物はもともと知床の自然にはなかった外来種なので、うっかり衣服に種をつけて移動してしまうと外来種を広めてしまうことになります。ゴボウの藪を通ったときはご注意ください。
(担当:ノセ)