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トナカイは何語?
もうすぐクリスマスですね。クリスマスと言えばサンタクロースのソリとそれを引くトナカイを連想するのではないでしょうか。というわけで今回はトナカイの話です。
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アラスカのトナカイ(カリブー)
トナカイは偶蹄目シカ科トナカイ属の動物で、シカの仲間です。エゾシカの親戚と言えるかもしれませんが、より寒い環境に適応しており、北半球の寒帯、亜寒帯地域に生息し、北ヨーロッパ、シベリア、北アメリカ、グリーンランドなどに分布しています。シカの仲間では珍しくオスもメスも角を持っています。シカなので角は生えかわります。
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オスの角の方が大きい
日本には野生のトナカイは生息していませんが、「トナカイ」という和名はアイヌ語の「トゥナカイ」から来ています。
なぜ北海道に生息していないはずのトナカイの名がアイヌ語としてあるのでしょう?
アイヌ民族は北海道だけでなくサハリンや千島列島にも居住していました。さらに別の大陸の民族とも交流があったためトナカイとも関わりがあったと考えられます。実際にトナカイの角でできた装飾品などが北海道内の遺跡からも見つかっていますが、これは交易で運ばれたものと考えられているようです。
(アイヌを含む北方民族について詳しく知りたい方は、網走市の北方民族博物館がお勧めです)
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トナカイの天敵はオオカミやヒグマなど
トナカイは英語ではレインディア(Reindeer)と呼ばれ、さらに北米のものはカリブー(Caribou)と呼ばれています。世界に広く分布しているトナカイですが、狩猟や開発など生息地の悪化によって減少傾向にあるとのこと(IUCNによる評価では絶滅危惧種)。もしトナカイがいなくなってしまっては、サンタクロースも子ども達のところへ行けなくなって困ってしまいますね。
(担当:ノセ)