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エイリアン・スピーシーズ
映画のようなタイトルですが、外来生物のことをエイリアン・スピーシーズというようです。
今年も黄色い大輪の花、オオハンゴンソウが咲く季節となりました。
オオハンゴンソウはキク科の多年草で、北アメリカ原産の外来生物です。
外来生物の中でも、放っておくと他の生き物に負の影響を与えるほど繁殖する侵略的外来生物です。特定外来生物に指定されているため、栽培したり生きたままの株や種子を運搬することができません。
(※除去を目的とした抜き取りなどでは、一定の条件を満たした状態で処分場まで運搬することが認められています)
このオオハンゴンソウ、北海道から本州まで広く分布しており、すでに根絶することが非常に難しい状況となっています。知床も例外ではなく、道路沿いでちらほら見られるようになってきました。幸い知床世界自然遺産地域内では確認されてませんが、すぐ近くまで来ています。
今回、除去作業を行った場所も3年前に分布を確認し、それ以降は毎年抜き取りを行っていますが、あまり減った感じがありません。
オオハンゴンソウは一株で数千の種子が作られ、風で飛散するので一株でも残っていればすぐに勢力を拡大できます。また根が残っていれば再生し、増殖することが可能なので根絶が困難なのです。恐ろしいですね。
オオハンゴンソウは某映画のエイリアンのように人に寄生したり襲ったりすることはありません。自分の宿命に従い生きて増えるだけのただの生き物ですが、人が他の地域から持ち込んだことによって大きな問題となってしまいました。それは他の外来生物であるアライグマ、アメリカミンク、セイヨウオオマルハナバチなども同じですが、このような適応力と繁殖力の強い生き物が一度野に放たれたら本当に取り返しがつかないのです。
オオハンゴンソウは漢字で大反魂草と書きますが、反魂とは死者をよみがえらせることです。現実には死んだ者は決して生き返らず、起こしてしまった過ちも無かったことにはできません。この黄色い花は私たちに、『覆水盆に返らず』という非常に大事な言葉を思い出させてくれます。
(担当:ノセ)