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冬のツグミ
私はカモメが好きなのですが、同じくらいに「ツグミ」が好きです。
冬になるとやってくる、「スズメよりも大きくてハトよりも小さい鳥」・・・。
枯れた木にとまっていたり、地面を歩いていたり、見かける場所は様々。
鳴き声もあまり目立つ美しい声ではない為、そこにいてもわからなかったりします。
現在は冬期閉園している知床五湖でも、開園期間中はたくさんのツグミ・ムクドリが観察できました。
改修工事が入っていてあまり人が歩いていないせいなのか、いつもより鳥たちが賑やかだった気がします。
巡視に入った日なんかは、湖の上をたくさんのツグミやヒヨドリたちが飛び回ります。
いつもこんなに多かったかな、と思うほどです。
都会では害鳥扱いされるヒヨドリですが、個体一つ一つは紛れもなく尊い存在で、
ナナカマドをついばんでいる姿はとても絵になるな、と思います。
たくさん集まると厄介がられるのは、なんでも同じですね。
さて、ツグミをじっくりと観察したことはありますか?
もし・・・双眼鏡を持っていたら、ツグミをのぞいてみることをおすすめします。
まるで山肌に広がる紅葉のように、それはもう鮮やかなのです。
赤や茶、黄色、様々な秋の色を集めたようなツグミの背中。胸を飾る、うろこのような斑模様。
草むらを歩いているとき、枝にとまっているとき、彼らの姿は目立たなくなりますが、よくよく観察するとかなり素敵な姿をしていることが判ります。
これからの季節は一部を残し、ほとんど木から葉が落ちてしまいます。
ますます寂しさを感じる季節となりますが、鳥たちの存在はより身近に感じられることでしょう。
ふと枝を見た時に鳥の影を見つけたら、それはツグミかもしれません。はたまたヒヨドリかもしれないし、見たことない、知らない鳥かもしれない。
はるかずっと北の地から冬を越すために渡ってきた、小さくとも勇敢な鳥たちかもしれないのです。
(担当:つくし)