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ヒツジたちの沈黙

植物 風景

シミュラクラ現象という現象をご存じでしょうか。

例えば三つの点があると、人や動物の顔にように見えてしまう脳の働きのことです。

(゚∀゚) (´・ω・`) ( ゚Д゚) ←こういう記号の配列が表情を持つ顔のように見えてしまうのも私達の脳の働きによるものです。

自然界でも顔に見えてしまうものはたくさんあり、葉痕もその一つです。

葉痕とは葉が生えていた箇所ですが、葉がついている時は枝と水や栄養が行き来するための管が通っており、その痕が目や口に見えるというわけです。

代表的な動物の顔に見える葉痕がこちら↓。ヒツジの顔ように見えますね。

これはオニグルミの葉痕と冬芽です。

オニグルミは落葉樹で、冬の前に自ら葉を落とし、次の春の葉を冬芽として準備して眠りにつきます。

冬になると落葉樹は葉を落としてしまうので、種類の見分けがつかないように思えますが、葉痕や冬芽の形がそれぞれ異なります。

春になれば冬芽は一気に開葉し、ヒツジたちの頭は賑やかになります。

5月下旬には花が咲いてヒツジたちを飾ります。

オニグルミの葉痕は落葉後もしばらく残り、枝が成長していくとだんだん不鮮明になっていきます。オニグルミ以外にも葉痕が顔のように見える樹はあるので、ぜひとも探してみてください。

シミュラクラ現象は、実際はただの模様が顔のように見えてしまい、時に心霊写真や人面魚、人面岩といった騒ぎを引き起こすようです。元々は人間が自然界で生き抜くため、外敵である動物の顔をいち早く発見するために培った能力と考えられています。

人間が持つある意味人騒がせな能力なのですが、せっかく先祖から授かったものですから、その能力を使って楽しんでみてはいかがでしょう。

(担当:ノセ)