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嘴の不思議
前回以久科原生花園に来た鳥たちを”シギチ”と呼んだのですが、シギチとは何ぞやとの指摘があったのでまずは補足説明から。
シギ科とチドリ科の水辺の鳥たちを総称してシギチと訳して呼んでいます。”カモ” ”キツツキ” ”タカ”のように、種名ではなくざっくりとした鳥のグループの名称だと思ってください。
「そろそろ秋の渡り」のブログを投稿してからちょうど3日後、知床五湖の建物の近くで弱ったトウネンが見つかりました。
知床五湖のそばに海はありますが、シギチが立ち寄るような干潟はありません。胸回りの筋肉もかなりやせ細っていたので、渡りの途中で弱って落ちてしまったのでしょうか。その後、残念ながらこのトウネンは亡くなってしまいました。
私の手の大きさがちょうど15センチなので、写真からこの鳥の小ささがお分かりになるのではないでしょうか。
こんなスズメほどの大きさしかない鳥が、シベリアやアラスカで夏の繁殖を終え、越冬地である東南アジアやオーストラリアに向かって今まさに大移動しているなんて本当に不思議です。
…さて前置きが長くなりましたが、ここからが本題。
鳥には歯が生えていないので、固い嘴を使って肉を裂いたり種を割ったりするのが一般的です。
でもシギの仲間の上の嘴だけは柔らかくて曲がります。
実際に触ってみると、下の嘴はびくともしないのに、上の嘴は簡単に上に曲げることができました。
この嘴が曲がる仕組みについて、2020年8月26日の「日本野鳥の会 オオジシギ保護調査プロジェクト」さんのFacebook投稿がとても分かりやすかったのでぜひこちらもご確認ください。
https://ja-jp.facebook.com/wbsjoojishigi/
骨をスライドさせて曲げるなんてなんとも器用ですね!動物たちの体の仕組みには興味が尽きません。
(担当:茂木)