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雨の日だってお好きでしょ?

湖沼 風景

雨の日だってお好きでしょ?

遠くから、はるばる知床へ旅行に来たのに、あいにくのお天気。
そんなこともあるかと思います。
私たちスタッフは、「お客様に思う存分知床を楽しんでほしいな」
「どんな空模様でも知床を満喫して思い出をたくさん持ち帰ってほしいな」
と思いながらお仕事をしています。
最近、なかなか晴れ間がのぞきません。
ならば雨の日だからこその、景色や楽しみ方があることをお伝えしたい!
今回は雨の日の知床五湖について、のんびりお話をしていこうと思います。

——はじまり、はじまり。——

静かな森の中。
雨の雫が滴る音と野鳥たちのさえずりが心地よく聞こえてきます。
低い雲に包まれる山の姿もまた美しいです。

落ち葉の積もる湿った地面から透明感のある白いキノコのようなものが、にょきにょきと目立っています。
それはギンリョウソウという菌類と共生している植物です。
別名はユウレイタケ。幽霊?タケってことはキノコ?混乱しますね。
よく観察してみると、不思議なその形状に妙~に惹かれます。
ギンリョウソウをイメージしたスタンドランプがあったら、ちょっとほしいかも。
皆さんだったら何に見えるのかな?

——花びらの絨毯を歩く——

雨が降ると遊歩道に花びらが散り、普段見逃していたお花の存在に気が付きます。あるときミヤママタタビのお花が落ちていました。あたりをよく見渡すと、くねくねと曲がったツルが木に絡みついていました。ミヤママタタビはツル性の木で、一部の葉っぱの表面がペンキで雑に塗られたように白く、花期が終わるころには白からピンク色に変わります。葉っぱがとてもよく目立つので、遠くにあってもすぐにわかります。その他にも季節によってサクランボが落ちていたり、ナナカマドやツルアジサイの花びらの絨毯ができていることもあります。

——クマもシカもリスもネズミも——

森の中の散策は、土砂降りなどでなければ案外濡れません。木々の葉が天然の大きな傘となり、私達を雨風から守ってくれます。先日は、エゾシカが木蔭で雨宿りをしていました。人間だけでなく森に住む多くの動物たちもそのように耐えしのいでいることを考えると、生き物はみんな同じだなと感じます。

ぬかるみが発生すると動物たちの足跡が見つけやすくなります。
くっきりついた足跡を見つけた時は、やっぱりうれしい。
まだ新しいな・・足跡の方向を見るに、あっちに移動したんだな。
直接彼らの姿が見られなくても、痕跡が残っていることでその存在を確かに感じます。
一方で地面がぬかるんでくると、靴が汚れるので嫌だなと思うかもしれません。
そんな時は長靴で散策しましょう。
皆さんは最近いつ長靴を履きましたか?
職業柄普段から履いているよ!という方もいれば、
大人なってからは長靴を履く機会がぐんと減った。という方もいると思います。
私は長靴だいすきです。
気兼ねなく水たまりやぬかるみに突っ込めます。
どんなに汚しても怒られません。水洗いで、パッときれいになります。
ぜひ足元の汚れを気にせずに、周りの景色を楽しみながら歩いていただきたい!

——湖に何を望む?——

湖面に雨粒の波紋が広がります。
霧がかった幻想的な雰囲気が、ここが神聖な場所であることをより際立たせてくれます。
湖ではネムロコウホネ、ヒルムシロが見頃です。
コウホネの葉っぱはスイレンとそっくりですが、比べてみるとより楕円形なのが特徴です。
ヒルムシロは、そもそも名前に聞き馴染みがない上にお花がとっても地味。
でも水面にぴょこぴょこ飛び出ているのを見ると、なんだかライブ会場にいる観客が手を挙げて盛り上がっているようにも見えるかも。

水中を注意深く覗いてみると魚が泳いでいたり、トンボの幼虫ヤゴなどの水生昆虫たちを観察することができます。
水面をスイスイ泳ぐ、カイツブリやオシドリが見られることもあります。もう少しすると、スイレンも見ごろを迎えます。知床五湖のスイレンについては、またの機会にたくさんお話をしますね。

——それでもやっぱり、晴れがいい!——

雨の日の知床もたくさんの魅力であふれています。
それでも正直、湖面に映る山並みや青空に映えた景色を楽しみたいというお気持ちもあることでしょう。
その時は、てるてる坊主を作りお天気になることを願ってまた知床に遊びに来てくださいね。
季節やお天気、その日その日の知床の絶景があります。
ガイドさんと一緒に歩けば、さらに楽しめること間違いなし!

ガイドさんは新しい気づきと発見のお手伝いをしてくれますし、たくさんの疑問にも答えてくれるでしょう。みなさんの知的好奇心やその体験にこそ、何にも代えられない高い価値があるように思います。

皆さんは知床に来て、何を楽しみたいですか?何に価値を感じますか?

 

さてと、お話しが長くなりましたね。

今回はお写真はあえて載せませんでした。雨の日の素敵な写真が集まったらまたブログに投稿することにします。

ちょっとでも雨の日も素敵だなと感じていただけたら嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

それでは、次は知床五湖のスイレンの話でお会いしましよう。

またね~!

そのだ

Writer

園田 佳菜子

Kanako Sonoda

埼玉県出身。東京環境工科専門学校卒。齧歯類がたまらなく好き。子どもたちからはチロルと呼ばれている。