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秋のうらがわ

植物 風景

「知床に紅葉を期待してはいけない」と言われていた。

というのも、秋の知床は風が強く、荒れた日も多い。

葉の色が変わるのが先か、散るのが先か…という年も多いのだという。

あまり期待せずに迎えた、今年の秋。

なんとなんと、当たり年なのではないだろうか。

ゆっくりと気温が下がったのが良かったのだそう。

そんな秋の散策で楽しいのがこれ。葉をうらがわから見ること。

暖色に染まった森は遠くから全体を愛でがちだが、

遠くからでは同じに見えてしまう葉っぱも、うらがわからみると、

太陽の光で一枚一枚のシルエットが浮かび上がる。

その形はさまざまで、いろんな種類の植物を見つけることができる。

葉の一つ一つが光を通す姿は、これまたきれいでかわいいのである。

まずはこちら。「オレンジ」の要素を担っているのがハウチワカエデ。

うらがわを覗いてみると、少し丸みを帯びていて、レースのような縁取り。

とてもかわいらしいシルエットだ。

濃いオレンジも、知床の森ではとても目立つ。

同じくオレンジや赤に染まるのが、オオヤマザクラだ。

上の層にあるミズナラにピントを持っていかれてしまったが、

手前にある、丸くて頭に角がある葉を見てほしい。

秋が深まり、多くは散ってしまったものの、

まだまだ知床を暖色で包んでくれている。

紅葉とはいうものの、知床の秋の魅力は「黄色」だ。

こちらはイタヤカエデ。

五本指を広げたようなスタイリッシュな手のひら形だ。

こちらもイタヤ…

とみせかけて、同じく黄色担当、ハリギリである。

よく見ると葉の縁取りがギザギザしていて、名前負けしない葉っぱだ。

知床で多くの生き物たちの栄養源となっているミズナラ。

特徴的な波打つ縁取りがとてもかわいい。

少し茶色を交えた色の変化がとてもきれいだ。

黄色担当は、広葉樹だけではない。

開拓時代に植えられたカラマツも、秋になると、その色を変化させる。

知床の開拓時代の暮らしの中で持ち込まれた色が、今もまだ森を賑わわせている。

意外にもツンツンしていない秋のカラマツ。いかがだろうか。

コエゾゼミの抜け殻に、より一層季節の流れを感じる。

ほかにも、シラカンバやバッコヤナギ、ツルアジサイなど黄色を担当する植物たちはもちろん、

ヤマブドウやツタウルシなど、赤く色づく植物もいる。

知床の秋はとても魅力的だ。

ふと見下ろすと、足元にこんなミズナラが…


森の様子はその年によってさまざまだ。来年はどんな姿を見せてくれるだろうか。

例え風が強くても、その年なりの美しさや楽しさが待っているのではないだろうか。

私たちは楽しい気持ちで森をあとにした。

歩いた場所:森づくりの道 開拓小屋コース

時間帯:14時頃

Writer

Sasami

Sasaki