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ウトロの春は、夏と冬。

動物 植物

先日、雪が解け始めた森へ春探しに行ってきました。日陰になっている所はまだ雪が多く残っており、林道は車で奥まで入れませんでした。歩いて進んでいくと、道の脇には沢山のフキノトウが開花し、暖かな陽気でチョウが舞っていました。

クジャクチョウ(右)とコヒオドシ(左)が並んで静止してくれた

アキタブキの花に訪花するクジャクチョウ

 

 

 

 

 

 

 

 

また、斜面の所々でフクジュソウの黄色い花が目立ち、近寄っていくと沢山のハエやアブ、マルハナバチなどが花に訪れていることが観察できました。

キタミフクジュソウに集まる小さなハエ

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな、春を感じる日和もありますが、斜里町ウトロはこの時期、季節が不安定です。今週の始め頃は、日中の最高気温が26℃と真夏並みの気温でした。そうかと思えば本日は降雪し、知床自然センター周辺では積雪1~2cmほどです。春が来たと思って活動を開始した昆虫や植物たちにとっては大誤算ですね。

ウトロの気温がこのように不安定なのは、知床半島の地形が関係しています。すぐ背後には羅臼岳をはじめとした知床連山があり、目の前には冷たいオホーツク海が広がっています。知床半島の南から低気圧が接近すれば、山からの南風によるフェーン現象で暖かくなり、低気圧が通り過ぎれば冷たい海からの北風になり、一気に気温が下がるのです。

 

担当:新庄