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最近、夏のような暑さが度々あり、植物たちが一斉に伸び始めました。日当たりのよい草地を歩いていると、たくさんのワラビが伸び始めていました。
ワラビは、山菜として古くから親しまれており、根茎からとれるデンプンさえも利用されてきました。しかしワラビはアク抜き処理をしてから食べないと、中毒を起こしてしまうため、人間以外の哺乳類は基本的に食べません。
知床自然センターの周辺にはたくさんのエゾシカが生息していますが、エゾシカはワラビ以外の植物ばかりを食べるため、ワラビがたくさん繁茂しています。見方によっては、エゾシカはワラビを守っているとも言えますね。
さらに、知床自然センター周辺は国立公園の中でもあるため、山菜としてワラビを採取する人もあまりいません。ワラビにとっての天敵は、もはや昆虫しかいないのですが、ワラビはその昆虫にさえ対抗手段を持っています。
ワラビをよーく見てみると、アリがたくさん歩いていることに気が付くと思います。実は、ワラビはアリをボディーガードとして雇って身を守っているのです。ワラビには、葉が分岐している腋に蜜腺があります。ワラビはアリに甘い蜜を報酬として与えるかわりに、ほかの昆虫を追い払ってもらっています。観察していると、蜜を舐めに来たであろうハエを追い払っていました。
アリを利用して身を守る植物が、意外と身近にたくさんあるので、皆さんも是非、植物の上でアリを見つけたらその行動を観察してみてはいかがでしょうか?アリがそこにいる理由が、見えてくるかもしれません。
(担当:新庄)