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冬になると樹々の葉が落ちて見えにくかったものが見えやすくなります。
夏は気が付かなかったヤドリギの葉がよく見えるようになりました。ヤドリギは樹に寄生する樹で、冬でも常緑です。晩秋から冬にかけて果実が付きますが、色は黄色や赤、オレンジなどバリエーションがあるようで、この個体は赤い果実をつけていました。
この果実を鳥が食べ、鳥が樹の上で糞をすることにより、樹で発芽します。
ヤドリギは樹になる樹で、他の樹木と種子を運んでくれる鳥がいなければ生存できません。そしてヤドリギの成長は非常にゆっくりだと言われているので、このようにたくさんのヤドリギが生えている樹は、長い時間を共に過ごしているのでしょう。
一方で川沿いの樹にはオオワシやオジロワシがたくさんなっていました。川にシロザケがまだ泳いでいるのでそれを狙って集まってきたのでしょう。ワシにとって樹は休憩所と物見台です。樹の上にいれば敵を避けられるし、獲物の動きもよく見えます。
一方で枝が混んだ樹にはスズメがたくさんなっていました。枝には食べ物があるし、混んだ枝に潜り込めば敵を避けることができ、仲間と一緒に過ごせます。
樹は森を作り多くの野生動物に住処と食べ物を与えてくれます。森がなければ生存できない植物、蘚苔類、地衣類、菌類、昆虫もいます。
近年、世界の各地で大規模な山火事が発生し、多くの動植物が死滅したと報道されています。山火事は自然に発生したものもあれば、人為的な原因で発生したものもあります。
人もまた樹から恩恵を受けており、人は樹を食料、医療、治水、防風、防暑、燃料、染料、建材など様々な場面で利用しています。他の生き物と同じように、人にとっても樹はなくてはならない存在です。しかし樹を燃やしたり大規模伐採する存在が人以外に存在するでしょうか。
持続可能な世界を目指すなら、人は樹と共にうまく生きていかなければならないと感じます。
(担当:ノセ)